• Instagram
  • Facebook
  • Twitter

アニメーションWS  講師:諸見里イーゴル真

みんなでオリジナルキャラクターとストーリーを考えよう。

アニメーションWS  講師:諸見里イーゴル真

みんなでオリジナルキャラクターとストーリーを考えよう。

アニメーション・ワークショップを開催しました

2025年9月9日と11日、宜野座小学校6年生16名を対象にアニメーションWSを行いました。
講師は、ブラジル日系ウチナーンチュ2世で、現在ドイツ在住の諸見里・イーゴル・真さん。
シンさんは「VAMOS Animation」というスタジオを設立し、テレビ、プロジェクションマッピング、メディアアートの分野で活躍しています。
👉 VAMOS Animation公式サイト

第一線で活躍するクリエイターとのワークショップに、子どもたちは興味津々。2日間を通して、とても楽しい創造の体験となりました。

【スケジュール・内容】
9日(90分)ショートmovie1日目
・前半
講師紹介(これまでのキャリア・作品づくり・仕事の話)
アニメーションの仕組みや作り方
・後半
アニメーションづくり(2チームに分かれて作業)
– キャラクター制作(A・B)
– 小物や背景づくり
– ストーリー作成
チームごとに内容を知らないまま分担作業を行い、最後に合わさった時に意外なストーリーができあがる仕掛けになっていました。
子どもたちはキャラクターをパーツごとに描いたり(顔を目・鼻・口などに分ける)、ストーリーボードを簡単にスケッチしたりと、初めての作業に挑戦しました。

10日(制作作業)
この日は生徒は不参加。
シンさんが前日の子どもたちのキャラクターや背景、ストーリーを基に、Adobe After Effectsを使ってアニメーション化を進めました。
作業は約12時間に及び、30秒のアニメーションを2本完成。
完成品にはフリーの効果音とBGMも加えました。

11日(90分)ショートmovie2日目
・前半
完成した2チームのアニメーションを上映。
制作方法や難しさ、工夫などを解説。
子どもたちは「まさか自分の絵がこんな動きになるとは!」と大盛り上がり。笑いと驚きに包まれました。
・後半
プロジェクションマッピングの紹介。
模型を使って投影の仕組みを学び、作品の一部も鑑賞。

【プロデューサー感想(小越)】
子どもたちは、普段何気なく見ているアニメが「どうやって動いているのか」という仕組みを知り、大きくおどろいていました。パラパラマンガを例に、「実は1秒間に12~24枚の絵が連続して流れているから動いて見えるんだよ」とシンさんが説明すると、「へぇ、そうなんだ!」と身近な体験とつなげて理解していく様子がとても印象的でした。さらに、昔は一枚一枚を手で描いていたけれど、今はパソコンを使って効率的につくることができること、そして実際にAfter Effectsを使ってキャラクターをパーツごとに動かすデモを見て、子どもたちは目を輝かせていました。

一方で、ストーリーボードや物語づくりの大切さについては、子どもたちにはまだ少し難しいところもあったようです。国語の授業で作文や感想文を書くことはあっても、ゼロから自由に物語を組み立てる経験は日常的には多くないのかもしれません。キャラクター作りにしても、授業で風景を描くことはあっても、自分の発想だけで新しいキャラクターを描くのは新鮮だったように見えました。だからこそ今回の活動は普段とは違う刺激になり、子どもたちはペアで相談したり笑い合ったりしながら楽しく取り組んでいて、その姿がとても頼もしく感じられました。

シンさんの裏側での作業も忘れられません。9日のワークショップが終わってから翌日まで、およそ12時間をかけて子どもたちの描いた素材をアニメーションに仕上げてくれました。パソコンで効率化されているとはいえ、一つ一つの動きを丁寧に入力していくのはとても緻密な作業です。「こういう日は一日中机から立たないこともあるんだよ」と、さらっと話すシンさんの言葉には重みがありました。完成したのは30秒ほどの短い映像でしたが、それでも笑いと驚きにあふれる2本の作品になり、子どもたちも「これで12時間!?」とびっくりしていました。

11日の発表会では、それぞれのチームが知らなかったキャラクターやストーリーが一つの作品になっていて、「なにこれ!」「こんな展開になるの!?」と大盛り上がり。映像を見た瞬間は大爆笑と拍手に包まれました。シンさんがPCを操作して「目の表情をこう変えると雰囲気が違うよ」「手の動きで感情も変わるんだよ」と実演すると、子どもたちは食い入るように見ていました。ほんの数十秒のアニメーションでも、そこにたくさんの工夫や技術が込められていることを体感できたのは大きな学びだったと思います。

最後に紹介してくれたプロジェクションマッピングも、子どもたちにとって新鮮でした。小さな模型に投影しながら解説してくれて、スクリーンではなく建物や空間そのものがキャンバスになる面白さを知ることができました。沖縄のモチーフや音楽も作品に盛り込まれていて、「自分たちの文化が映像で表現されるんだ」と感じていたようです。

短い2日間でしたが、プロの仕事にふれ、自分たちで作品をつくり上げる体験は子どもたちにとって忘れられない時間になったと思います。学校ではなかなかできない創造の学びを実際に体感できたことは、これからの人生にとって大きな糧になるはずです。今回のワークショップは、未来への小さな種まきになったと強く思いました。