ハイパーモーメント ~ 舞と音楽、AR(拡張現実)がひとつになる~
デジタルテクノロジーでかわるストリートダンス、バレエそして琉球舞踊。
3つの身体表現と3つの音楽に、3つのAR表現がかけあわさるショーケースを、宜野座がらまんホールから発表しました。
身体の動きやライブ音楽にリアルタイムで反応する空間表現、そしてわたしたちの身近になってきたデジタル技術が、これからの舞台表現をどのように豊かにしていくのか。
それぞれの身体表現のみどころやARの技術解説もまじえながら進行するおよそ1時間の舞台です。
まず最初に登場するのは、ストリートダンサー。
後ろのスクリーンには彼と同じ動作をする人形やキャラクターが映ります。
これは舞台の目の前に並ぶパソコンで制御しているのですが、このパソコンの中には、目の前の舞台と同じ広さ、高さの空間が仮想空間として既に作られています。
そして、ダンサーには身体の関節部分などにいくつものセンサーが装着されており、それをパソコン上で認識することにより、仮想空間で様々なエフェクトをつけることが可能となります。
その仮想空間を画として切り取るのは、実際に舞台で敏捷に動き回るカメラマンの手持ちのカメラ。
会場の皆さんは、このカメラによって切り取られる仮想空間の映像をスクリーンで見ることができると同時に、実際に踊っているダンサーの動きとも比較することができるのです。
スクリーンには、次々と様々なキャラクターが登場し、ダンサーと同じキレのある踊りを披露します。お相撲さんやマイケルジャクソンといった誰でも知っているようなキャラクターが軽快に踊る姿に会場は笑いに包まれました。
次のコンテンポラリーバレエでは、ダンサーの両手首を繋ぐ糸のようなエフェクトを生かした幻想的な踊りを披露。スクリーンにはまるで降りしきる雪のようなパーティクルが美しく、ピアノの即興演奏と息の合った踊り、バレエならではの柔軟な身体表現に目を奪われました。
最後は琉球舞踊。言の葉が零れ落ちていくようにスクリーンには歌詞が映ったり、足元に青い花畑が広がったりと、こちらも幻想的な舞踊を披露しました。
大好評の二日間の公演の後は、宜野座小学校の子供たちへのワークショップを行いました。
子供たちは初めて見る技術や、舞台の目の前に鎮座する複数のパソコンやモニターにとても心惹かれたようでした。
アンケートでは、流麗な踊りを披露するダンサーへの賛辞はもちろん多かったのですが、カメラマンに対してのコメントが多く見られたのも印象的でした。
今後も、このような最先端の舞台芸術を子供たちに見せることができる機会を持ちたいと思います。
「ハイパーモーメント ~ 舞と音楽、AR(拡張現実)がひとつになる~」
12月11日(土) 開場16:30 開演17:00
12月12日(日) 開場14:30 開演15:00
会場=宜野座文化センター がらまんホール
入場料 一般1000円(学生無料)
ストリートダンス
出演=テコエ勇聖
音楽=菅原一樹
コンテンポラリーバレエ
出演=Eri
音楽=杉本亮
琉球舞踊
出演=宮城小寿江
歌・三線=仲村渠達也
胡弓=照屋早月
演出=タグチヒトシ(GRINDER-MAN)
振付=伊豆牧子(GRINDER-MAN)
ARデザイン=谷口勝也
ARプログラム=高鳥光
ARカメラ=酒本凌、クモシカリタカヒロ
舞台監督=田村孝史
音響=福岡功訓
照明=田代弘明
記録映像=ダニエル・ロペス
ドキュメント映像=黒沼雄太
演出助手=吉田みずほ
制作=三橋俊平
会場ディレクション=小越友也
文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業
制作=イッカク
協力 筑波大学エンパワーメント情報学プログラム
主催=宜野座村文化のまちづくり事業実行委員会(がらまんホール)
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