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音楽と社会を繋ぐレクチャーコンサート「きっかけ」

Concert

音楽と社会を繋ぐレクチャーコンサート「きっかけ」

この公演は「きっかけ」というテーマで、ピアノ三重奏、ピアノ四重奏、ピアノ・フルート・チェロのトリオ、ソプラノソロなどのクラシック生演奏を中心に構成されました。
芸術の背景や社会問題について学びながら、現代社会を振り返る「きっかけ」になればという思いが込められています。

第1部は『女性作曲家と社会』
19世紀、男性優位の社会に生きた女性の芸術家たちの作品を取り挙げました。琉球大学学生のパネルディスカッションを組み入れ、19世紀と現在で女性の地位や権利がどう変化したのかを見つめます。

第2部は『モーリス・ラヴェル~そのバスク魂~』と題し、ラヴェルがいかに画期的で開放的な音楽の道を開いたことを分かりやすく解説しました。
ピアノ三重奏に加えスペインバスク地方ゾルツィコのダンス、名護ジュニアコーラスの合唱と多彩な内容となっています。ラヴェルの故郷バスクの民族問題を通して、異文化間の理解について考えます。

第3部は『第1次世界大戦とルイ・ヴィエルヌの芸術』
パリ・ノートロダム大聖堂のオルガン奏者で作曲家であるルイ・ヴィエルヌの壮絶な人生を振り返ります。
彼は「(第一次大戦で)戦死した17歳の息子に捧げたレクイエム」としてピアノ五重奏を書き上げました。
盲目というハンディキャップを乗り越え、素晴らしい作品を残した作曲家です。

また、スクリーンではアニメーションを効果的に用いて、観客を楽しませる工夫が施されています。
鮮やかなイラストは作曲者の心や時代背景を想像する手助けとなりました。

「きっかけ」は音楽演奏者のみならず、ダンサー、合唱団、学生、ドイツからのアニメーター、ナレーターという多種多様な人々が関わって、様々な角度から作り上げられました。

——– Program ——–

第1部 【女性作曲家と社会】
Fanny Hensel-Mendelssohn(1805-1847) ファニー・ヘンゼル‐メンデルスゾーン
Clara Schumann(1819-1896) クララ・シューマン
Johannes Brahms(1833-1897) ヨハネス・ブラームス
Louise Farrenc (1804-1875) ルイズ・ファラン

第2部 【モーリス・ラヴェル~そのバスク魂~】
Maurice Ravel(1875-1937) モーリス・ラヴェル
ピアノトリオTrio pour Piano,Violon et Violoncelle a-moll(1914)

第3部 【第1次世界大戦とルイ・ヴィエルヌの芸術】
Louis Vierne(1870-1937)ルイ・ヴィエルヌ
Quintette pour Piano,deux Violons, Alto et Violoncelle
ピアノ五重奏「レクイエム」(戦死した17歳の愛しい息子ジャックのために)