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がらまんお出かけ美術展 YUKO TAKADA KELLER作品展示「Prismatic」

Art

がらまんお出かけ美術展 YUKO TAKADA KELLER作品展示「Prismatic」

「がらまんおでかけ美術」として、デンマーク在住の日本アーティスト、高田ケラー有子さんによるインスタレーションアート作品を村内施設に展示しています。

場所は、宜野座村内で本格的なタラソテラピー(海洋療法)が体験できる施設、タピックタラソセンター宜野座の1階ロビー。

玄関を入るとすぐ、大きな四角錐が目に入るはずです。
天気が良い日はバックに青い海が広がるこの場所は、入ってくる光の加減や見る角度によって、さながら光のプリズムのように様々な表情の作品を楽しむことができます。

そして、遠くから見ると大きな四角錐だったそれは、近寄ると無数の三角形で構成されているのが分かります。
これら一つ一つはトレーシングペーパーで作られており、実に7500個もの三角形がこの作品には使われています。

今回展示の「Prismatic (2011年作)」は、1989年作のオリジナル版のremakeバージョンで、1996年より使い始めたとても小さな三角形のピースを主体とした作品の原型となります。

アーティストの有子さんは、「当初は、作品を見た人が、純粋な何かを感じてもらえるようにと願っていたが、次第にトレーシングペーパーが持つ透明性と不透明の狭間にある“皮膜”のようなものを意識し創作を行っている」といいます。

「空気の中に“皮膜”の存在を意識すると、目には見えないものを感じる。そこには、忘れてしまった大切なことや、見ようとしなければ見えない何かがある。
しかし、見えない世界の中にこそ、大切なものや意識しなければ気づかないものが存在する」

アート作品を見て、感じることは人それぞれです。

鮮やかながらも、穏やかなブルーの色彩に癒しを感じることもあれば、一つ一つは小さな存在でも多くの数が集まれば、それは別の形となり大きな力を持つのではないか、という希望に似た感情を抱くこともあるでしょう。

本作品は9月末まで展示しております。是非、一度タラソまで足を運んで「Prismatic」のある空間を体験してみてください。

また、作品展示の準備期間に、村内小学校でお出かけ授業「デンマークのお話&ペーパーオーナメント作り」を実施しました。
デンマーク在住歴20年の有子さんによる、デンマークの風土や文化のお話では、
「気温が30℃以上になると学校がお休みになる」「祝日がない月には、学校に寝袋を持って来て1日好きな本を読んで過ごす日があったりする」という言葉に子どもたちは大盛り上がり。
税金が高いけれど、その代わり福祉がしっかりしているという話には真面目な顔で頷いていました。

デンマークがどんな国か知ったところで、有子さんの作品も簡単に紹介し、いざペーパーオーナメント作り。

色紙を折って、好きな形にハサミで切ると左右対称の折り紙ができます。穴あけパンチで装飾をパチリ。
それをいくつか作って糸で繋げれば、可愛らしいペーパーオーナメントの出来上がり。
完成したオーナメントを教室の窓枠に飾れば、風に揺れて何とも涼しげな雰囲気です。
世界で活躍するアーティストとの交流、そして一人一人の個性が光る作品作りの授業となりました。

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がらまんお出かけ美術展
YUKO TAKADA KELLER「Prismatic」

<展示期間>2022年6月25日(土)~9月29日(木)

<場所>タピックタラソセンター宜野座(https://www.thalasso-osi.jp/

<プロフィール>

YUKO TAKADA KELLER
造形作家 高田ケラー有子

1958年大阪生まれ。1983年京都市立芸術大学大学院修士課程修了。1994年から1997年まで、成安造形短期大学(現大阪成蹊大学美術学部)にて助教授。1997年よりデンマーク在住。日本在住時よりヨーロッパ、アメリカなどで作品を発表。近年はデンマークを中心にヨーロッパ、日本で作家活動をしている。キュレータとしても、日本のアーティストをデンマークに紹介するの企画をしている。近年では展覧会開催時に音楽コンサートのアレンジなどもしている。 著書に『平らな国デンマーク〜「幸福度」世界一の社から』NHK出版生活人新書がある。